裁量取引に使いやすいブローカーが、Expert Advisorにも適しているとは限りません。EAは正確な価格、銘柄仕様、約定条件に反応するため、小さな違いでも注文が受理されるか、拒否されるか、別の価格で約定するかが変わります。
最初にプラットフォームとEAの互換性を確認する
ブローカーがEAの指定プラットフォームを提供しているか確認します。MT4用の.ex4ファイルをMT5の.ex5プログラムとして使うことはできません。ターミナルのビルド、WindowsまたはVPSでの動作、自動売買の許可、必要に応じてDLLの使用可否も確認します。
EA提供元が指定する通貨ペアと時間足も重要です。同じ市場でもEURUSD、EURUSD.a、EURUSDproのように表記が異なります。サフィックス自体は問題でなくても、EAが認識できなければ動きません。両建て、指値・逆指値、複数ポジションを使う場合は口座ルールも確認します。
取引コストを合計で比較する
表示される最小スプレッドだけでは判断できません。EAが実際に取引する時間帯の通常スプレッドを観察し、手数料、スワップ、口座固有の上乗せを加えます。1回あたりの平均利益が小さい戦略ほど、コストの影響を受けやすくなります。
| 確認項目 | EAへの影響 | 確認方法 |
|---|---|---|
| スプレッド分布 | エントリーや決済の発生条件が変わる。 | 通常時間、ロールオーバー、急変時を観察。 |
| 手数料 | 決済した各取引の純損益を減らす。 | 標準1ロット当たりのコストに換算。 |
| スワップ | 日をまたぐポジションに金利が発生。 | 買い、売り、3日分付与日を確認。 |
| スリッページ | 要求価格と約定価格が異なる。 | 注文ログと実際の約定を比較。 |
銘柄仕様を確認する
MT4の気配値表示で銘柄を右クリックし、仕様を開きます。契約サイズ、桁数、Tick Value、最小ロット、ロット刻み、Stops Level、Freeze Level、約定方式、取引時間を比較します。これらはポジションサイズ、注文距離、Stop LossやTake Profitの受付条件に影響します。
別ブローカーのロットやSETファイルをそのまま移す前に、契約サイズ、桁数、ロット刻みを必ず確認してください。
約定とVPS環境を測定する
VPSは自宅に近い場所ではなく、ブローカーの取引サーバーに近いリージョンを選びます。Pingは目安ですが、注文経路全体を表すものではありません。MT4の操作履歴でRequote、Off Quotes、変更拒否、切断を確認し、EAが通常取引する時間帯で十分な件数を観察します。
条件を固定してデモ検証する
- 実運用と同じEAバージョンとInputsを使用します。
- 銘柄、時間足、ロット計算、Magic Numberを確認します。
- 戦略の稼働時間中はターミナルを継続運転します。
- 想定シグナルとExperts・操作履歴ログを比較します。
- スプレッド、エラー、実際の注文価格を記録します。
- リアルへ移行する場合は約定差を許容できる小さなリスクから始めます。
デモは互換性を確認できますが、リアルと同じ流動性や約定を保証しません。規制、顧客資金保護、出金条件は、居住地域とブローカーごとに別途確認してください。
公式リファレンス
MetaTrader公式ヘルプの気配値表示と銘柄仕様では、スプレッド、Stops Level、契約サイズ、約定方式、取引量、スワップ、取引時間の確認方法を説明しています。