フィボナッチ比率は測定ツールであり、自動的なサポート・レジスタンスではありません。この戦略では、明確な方向性のある値動きを選び、正しいスイング間にリトレースメントを引き、50〜61.8%が市場構造と重なるまで待ってからエントリーを検討します。
戦略の仕組み
測定には、市場構造を更新する明確な上昇波または下降波が必要です。上昇トレンドではスイング安値から高値、下降トレンドでは高値から安値へ引きます。小さなローソク足ごとに引き直すと、レベルの意味が失われます。
50〜61.8%は正確な1価格ではなくゾーンとして扱います。過去のブレイクアウト水準、スイングゾーン、上位足のトレンドが根拠の重なりになります。エントリーには、ゾーンから離れる反発足または包み足の終値確定が必要です。
調整が始まった時点で推進波の起点と終点を固定します。後になって初めて判明したスイングの極値を検証で使ってはいけません。50%の線は値動きの中間点であり、フィボナッチ比率ではありません。50%も61.8%も位置の目安です。既存の水準と確定した反発が売買判断の根拠となります。
インジケーター・市場・時間足
フィボナッチ・リトレースメント(38.2%、50%、61.8%)、スイング構造、水平ゾーン、プライスアクションによる確認。
明確な方向性のある値動きが形成された流動性の高いForexペア。基点が曖昧になるニュース直後の急騰・急落は避けます。
スイング選択はH1・H4が明確です。M15・M30は、上位足ゾーンを先に決めた後の確認に使えます。
エントリールール
BUYチェックリスト
- 明確なスイング安値から上昇波が始まり、上方向の構造を更新して識別可能なスイング高値で終わる。
- 調整が50〜61.8%へ戻り、過去のレジスタンス、サポート、または重要な構造と重なる。
- ゾーンから陽線の反発足または包み足が確定してからBUYエントリーする。
SELLチェックリスト
- 明確なスイング高値から下降波が始まり、下方向の構造を更新してスイング安値を作る。
- 戻りが50〜61.8%へ達し、過去のサポート、レジスタンス、または切り下げ高値のゾーンと重なる。
- 根拠が重なるゾーンから陰線の反発足または包み足が確定してからエントリーする。
シグナルは事前に定めた根拠の重なるゾーンでの反発足または包み足の確定です。次に約定可能な価格と、価格構造を無効にするスイングを使います。価格がすでにゾーンから遠ざかっていれば、許容できる利幅を作るために起点・終点を描き直したりストップを内側に寄せたりしてはいけません。新たな推進波には新たに定義したセットアップが必要で、過去にさかのぼって測り直すものではありません。
Stop LossとTake Profit
Stop Loss
Stop Lossは61.8%の線上ではなく、根拠の重なりを無効にするスイングまたは構造の外側に置きます。61.8%より深くても有効な場合があるため、実際の無効化は価格構造で決めます。
Take Profit
最初の目標は元の上昇波・下降波の終点です。2つ目は次の構造レベル、または検証済みの127.2%エクステンションを使えますが、十分なリスクリワードが残ることが条件です。
比率だけでなく根拠の重なりを作る
フィボナッチ比率は判断材料の一つです。この仕様では、測定した戻り、位置、確定した価格反応を組み合わせます。
| 要素 | 有効な根拠 | 単独では不十分 |
|---|---|---|
| 方向性のある波 | 市場構造を更新する明確な値動き。 | レンジ内の短いランダムな動き。 |
| 価格帯 | 50〜61.8%が既存の構造ゾーンと重なる。 | 何もない場所に浮かぶ比率。 |
| 確認 | 反発足または包み足がゾーンから離れて確定する。 | まだ確定していないヒゲ。 |
リスク管理
ポジションサイズを計算する前に、金額ベースの許容損失を決めます。相関するポジションをまとめて管理し、1日および口座全体の最大ドローダウンを設定してください。損失確定を避けるためだけに、エントリー後のStop Lossを広げてはいけません。
ポジション量は損切り幅に合わせて決めます。予定する許容損失額を、そのストップに達した場合の費用込みのロット当たり推定損失額で割ります。損失額は口座通貨に換算してください。ブローカーの取引数量の刻みに合わせて切り捨て、最小ロットでも許容額を超える場合は見送ります。 ここで1Rはエントリーから初期ストップまでの価格差です。費用を含めると、費用控除前の利益倍率より小さくなります。
取引例のステップ解説
EURJPYの図は推進波、根拠の重なるゾーンへの調整、上向きの反発を示します。ただし、図のエントリーは最初の反転より遅く、以前の高値までの距離は図のSLまでの距離より短くなっています。そのため、2Rの目標にはなりません。
最低1.5Rを求める計画なら、この遅い候補は見送ります。その後に図で上昇していても、事前のリスク判断が誤りになるわけではありません。早いエントリーは別のケースであり、独自の確認条件と約定の仮定が必要です。
このセットアップを避ける場面
スイングの基点が曖昧な場面、レンジ内で重なる値動き、価格確認のないエントリー、主要レジスタンス直下のBUYゾーン、主要サポート直上のSELLゾーンは避けます。過去結果が良く見えるまでA・Bを動かしてはいけません。
責任ある検証方法
- 結果を見る前に、エントリー・決済・無効化の全ルールを書き出します。
- 都合の悪い損失も除外せず、条件を満たした過去の全セットアップを記録します。
- スプレッド、手数料、スワップ、現実的なスリッページを含めます。
- ルール調整に使っていない未使用の検証期間を分けて残します。
- 本番運用を検討する前にデモ口座でフォワードテストし、リスクを抑えて観察します。
起点・終点がいつ認識可能になったかを正確に記録し、無効化まで変更しません。結果を見てから水準を選ばず、根拠の重なるゾーンの定義と近い戻し幅の許容差を比較します。構造に基づく決済とエクステンション目標は別々に検証します。見送った遅いエントリーも含め、比率付近からの見栄えのよい反発だけを報告してはいけません。
チャートは説明用です。勝率、月間利益、結果の保証は行いません。結果は市場環境、コスト、約定、ルールの遵守によって変わります。