スリッページとは、要求または観測した価格と実際の約定価格との差です。有利にも不利にもなります。レイテンシーは要因の一つですが、値動き、流動性、注文数量、サーバー処理も結果に影響します。
スリッページ、レイテンシー、リクオートの違い
スリッページは価格差、レイテンシーは操作からサーバー応答までの時間です。リクオートは、要求価格が利用できず別の価格が提示される現象です。注文拒否は別で、数量、ストップ位置、市場状態、権限、証拠金などが原因になります。
| 事象 | 見える結果 | 確認する記録 |
|---|---|---|
| スリッページ | 約定価格が要求価格と異なる。 | 同時刻の要求、約定、スプレッド。 |
| レイテンシー | 発注や変更に時間がかかる。 | 端末ログとブローカーの約定記録。 |
| リクオート | 別の価格が提示される。 | Journalメッセージと約定モード。 |
| 拒否 | サーバーが注文を受け付けない。 | エラーコード、注文値、銘柄仕様。 |
自動注文でも結果が変わる理由
シグナル計算から約定までに価格は動きます。最良価格にある数量は限られ、指標発表、ロールオーバー、セッション切り替えでは特に薄くなります。ブローカーは価格集約、マークアップ、ストップ・証拠金確認、ルーティングまたは内部処理を行います。それぞれが時間と約定価格に影響します。
VPSとサーバーの距離は重要ですが、pingでは待ち行列、ブリッジ処理、流動性供給先の応答、EA内部の計算時間は測れません。大きなロットや同時注文は、小さな単発テストと異なる結果になる場合があります。
1回ではなく分布を測る
- VPSの時刻を同期し、ExpertsとJournalを保存します。
- 銘柄、売買方向、注文種別、要求価格、約定価格、数量、時刻を記録します。
- 要求時のbid/askと、指標・ロールオーバーの有無を残します。
- 新規、予約注文発動、決済、変更を分けます。
- 有利・不利なスリッページ、中央値、極端値を計算します。
- デモとライブは設定や時間帯が同等な場合だけ比較します。
少数の大きな不利約定が損失の大半を作ることがあります。パーセンタイルと最悪値も確認してください。
戦略を変えずに影響を抑える
許容幅を無条件に広げるのは危険です。広すぎれば不利な価格を受け入れ、狭すぎれば再送や決済失敗が増えます。適切な値は時間軸、期待優位性、リスク設計で変わります。
よくある誤解
負けをすべてブローカーのせいにしたり、bidチャートだけで買い約定を判断したりしないでください。数秒ずれたデモとライブ注文も公平な比較ではありません。まずログと履歴から注文イベント全体を再構成します。
正常時の約定だけでなくエラー処理も重要です。無制限の再送、重複注文、切断後の無言停止を防ぐ設計が必要です。
公式資料
MetaTrader公式ヘルプの取引リクエストの実行と、銘柄仕様でブローカー設定を確認できます。