二つの指標が上向きに見えても、イベントの発生時刻は同じとは限りません。ストキャスティクスが先にクロスする場合、MACDがすでにシグナルを上回る場合、二つ目のクロスが期限後に届く場合があります。再現可能な四つの架空H1履歴で区別し、MT4標準のMACDバーと「メイン値−シグナル」のヒストグラムの違い、待機による取引価格の変化も示します。
1. 二つのクロスに別々の役割を与える
MACDは二つの指数移動平均の差を測り、ストキャスティクスは直近レンジ内の終値位置を平滑化します。どちらも重複する価格履歴を変換しています。一致を二重確認と呼んでも独立した証拠にはなりません。まず、新しいイベント二つの同時発生を求めるか、一つの後にもう一つを求めるか決めます。
本ガイドはBUY側の観測で、完成した戦略ではありません。ストキャスティクスのクロスでエピソードを開始し、期限内のMACDメイン/シグナルの新規クロスで確認するモデルを扱います。前のEMAとのガイドは同じ足のトレンド状態を確認しました。状態フィルターとイベント順序は、図が似ても別の仮説です。
2. 設定、初期値、単位を固定する
架空EURUSD Bid H1 OHLCを使います。MACDは12,26,9, PRICE_CLOSEで、M=EMA12−EMA26とMT4標準の基準G=SMA(M,9)を採用します。各EMAを最初のN終値の平均で初期化し、以後E_N(k)=[2C(k)+(N−1)E_N(k−1)]/(N+1)で更新します。Mはk25、Gはk33から利用でき、共通の二イベント判定はk34からです。有限履歴の教材仕様であり、端末の過去履歴を再現したとの主張ではありません。
ストキャスティクスはKperiod=14, Dperiod=3, slowing=3, MODE_SMA, Low/Highです。データ源、確定時刻、価格フィールド、実装を記録します。MとGは価格単位、ストキャスティクスは定義される場合0~100です。表とMACD図はMとGを0.00010で割りEURUSDのpip単位で表示し、CSVは価格単位を保持します。期間名の一致だけで最適性や実装の一致は分かりません。
| 項目 | 基準仕様 | 役割と限界 |
|---|---|---|
| MACD12 / 26 / 9 | Close、有限EMA初期値、SMA9シグナル | M/Gとメインのゼロ通過は別 |
| Stochastic14 / D3 / slowing3 | Low/High、Kは合計の比、DはSMA | 新規K/Dイベント、20/80条件なし |
| Q_same | 同じ確定足のXとY | 独立した同時モデル |
| Q_order | 先にX、p+1…p+3で新規Y | 取消・期限切れ・旧イベント再利用なし |
3. MT4バー、シグナル、差分を区別する
MT4標準のMACDバーはMであり、MとGの差ではありません。差を別にH=M−Gと定義します。Mのゼロ通過は価格EMA同士の比較、Hのゼロ通過はMACDメインとシグナルの比較です。Mが正でHが負のこともあります。ゼロより上の緑のバーだけで新規メイン/シグナルクロスとは判断できません。
MQL4のMODE_MAINはM、MODE_SIGNALはGを返します。他実装はSMA9でなくEMAシグナルを使ったり、HをMACDヒストグラムと呼んだりします。色や名称から推測せず式を確認します。図ではM・G・Hを分離します。シグナルの平滑化を変えると系列が変わり、クロス時刻も変わり得ます。
4. ストキャスティクスのKとDを完全に定義する
各確定足でLL(k)=min[L(k−13)…L(k)]、HH(k)=max[H_price(k−13)…H_price(k)]、A(k)=C(k)−LL(k)、B(k)=HH(k)−LL(k)とします。主線はk−2からkのK(k)=100ΣA/ΣBで、D(k)=[K(k)+K(k−1)+K(k−2)]/3です。合計の比による平滑化は、三つの未平滑百分率の平均と通常は異なります。必要な窓が有効ならKはk15、Dはk17から得られます。
iStochasticのLow/Highはprice_field=0で、Close/Closeとは別入力です。メインとシグナルのモードがKとDを選びます。レンジ合計がゼロならKは未定義で、Dには有効なKが三つ必要です。ゼロや古い値で欠損を埋めません。20/80条件はなく、クロスと極値ゾーン離脱は別の観測です。
5. 組み合わせる前に新規イベントを定義する
ストキャスティクスのイベントはX(k)=[K(k−1)≤D(k−1)] AND [K(k)>D(k)]、MACDメイン/シグナルはY(k)=[M(k−1)≤G(k−1)] AND [M(k)>G(k)]です。現在と前足の有効値が必要で、等号を認めるのは前足側だけです。K>DやM>Gの状態が続いても、足ごとに新しいXやYが生まれるわけではありません。
同時観測をQ_same(k)=X(k) AND Y(k)と定義します。同じ確定足で新規クロスが二つ必要です。一方が前にクロスして今も上向きというだけでは足りません。MACDのゼロラインイベントは既存MACD–RSI戦略のような別実験です。SELL側も逆方向の明示的定義が必要で、ここでは提供していません。
6. 順次確認の待機期間を有限にする
順次モデルは、待機中のエピソードがなくX(p)=1 AND M(p)≤G(p)のときだけ開始します。MACDがまだシグナルを上回る前にストキャスティクスが先行します。確認期間はp+1≤q≤p+3です。その間に新しいYが必要で、途中の各確定足とqでK>Dが継続していなければなりません。3本は説明用であり最適化した値ではありません。
K≤Dまたは必要データの欠損で、確認より先に取り消します。それ以外はp+3も含めYを調べ、成立しなければその足の判定後に期限切れにします。待機中の追加Xはpを変更せず期限を延ばしません。確認・取消・期限切れでエピソードを消費し、同じ足で再開始しません。X/Y同時は同時モデルで成立できますが、M>Gがすでに真なので順次モデルは開始できません。
7. 確定時刻と判定の優先順をそろえる
現在のMT4 H1系列ではshift=1が直近確定足、shift=2がその前、shift=0が形成中です。両指標を同じ確定区間で読みます。実時間の経過ではなく、実際に完成した足を数えます。新たに利用可能となる確定時刻ごとに一度評価し、元の開始時刻を保持します。再接続から3本を数え直してはいけません。
判定は丸めず、表示だけ丸めます。教材は等号判定を固定する厳密な分数演算を使います。CSVの丸めた小数を比較せず、OHLCと式から再構築します。実端末は別途照合します。欠損や不確かな再起動後は時系列を再構築し、すでに上向きの表示で失った新規クロスを代用しません。
8. 四つの別個の架空履歴を再構築する
各ケースは2026-07-06 00:00 UTC、終値1.10000から始め、1 pip=0.00010とします。終値変化はまず0×39、次に+2×20です。期限内ケースは−3×4,+6×6、遅延ケースは−3×8,+5×8を追加します。逆順ケースは期限内履歴に−1×1,+2×5を追加します。短い同時ケースだけは開始値から0×39,+2×4を使います。
始値は前足終値、k0ではその終値と同じです。高値はmax(始値,終値)の1pip上、安値はmin(始値,終値)の1pip下です。各ケースは70,76,76,44行、合計266行であり、連続した取引ではなく独立履歴です。CSVにはOHLC、時刻、中間値、X/Y、二つの観測フラグ、エピソード処理を記録します。空欄は未定義です。人工価格は定義の検証であり実測収益ではありません。
9. 期限内のストキャスティクス先行を追う
期限内ケースではk65でXが発生し、K=65.0000、D=59.2929、M<Gです。2026-07-08 17:00 UTCに開始し、候補はk66・k67・k68です。K>Dを保ったままk67、2026-07-08 19:00 UTCで新しいYが発生しQ_order=1になります。この時Xはすでに0でQ_same=0です。
確認時はK=95.4545、D=81.8182、MとGは約8.428732と7.946248pipです。高いストキャスティクスを拒む条件はないため、K<80を追加するなら別のフィルターです。価格・ストキャスティクス・MACDは同じ足の軸を共有します。フラグに約定・ストップ・利益は付与していません。
| ケース/足 | K | D | M (pip) | G (pip) | X | Y | Q_same | Q_order |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 期限内 · k65 | 65.0000 | 59.2929 | 7.045487 | 8.049025 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 期限内 · k67 | 95.4545 | 81.8182 | 8.428732 | 7.946248 | 0 | 1 | 0 | 1 |
| 遅延 · k68 | 10.6667 | 8.1794 | 2.192409 | 5.845400 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 遅延 · k71 | 61.5385 | 42.3077 | 3.089991 | 3.869205 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 遅延 · k72 | 79.7468 | 61.1977 | 3.945735 | 3.518799 | 0 | 1 | 0 | 0 |
| 逆順 · k72 | 96.6102 | 96.4761 | 12.446648 | 9.531243 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 同じ足 · k40 | 62.5000 | 54.1667 | 0.159544 | 0.017727 | 1 | 1 | 1 | 0 |
10. 遅れた確認では期限を延長しない
遅延ケースはk68、2026-07-08 20:00 UTCのXで開始し、対象の確定足はk69,k70,k71です。KはDより上ですが、k71までにYがないため判定後に期限切れになります。MACDが見た目で改善しても不十分で、新しいクロスが期限内に必要です。
Yはk72、2026-07-09 00:00 UTCで到着します。pから4本後なので両方が上向きに見えてもQ_order=0です。k72に新しいXもないため再開始しません。魅力的な遅延例に合わせて期限を延ばすのは、元の仕様の修正ではなく、例を見た後に別モデルを選ぶ行為です。
11. 逆順と同時発生を分けて扱う
逆順ケースの前のエピソードはk67で確認済みです。k72で新しいXが現れますが、Mは前のMACDクロスからすでにGを上回っています。開始条件を満たさず、古いYを新しい後続確認として再利用しません。期限内ケースの前半に小さな押し目を追加した履歴であり、同じイベントを後の入口に読み替えたものではありません。
独立した同時ケースではX=1 AND Y=1がk40、2026-07-07 16:00 UTCに成立します。Q_same=1、Q_order=0です。順次モデルが求めるYはp上ではなくpの後です。どちらかが常に優れているわけではなく、順序と時刻が観測集合を変えます。見栄えのよい例だけ混ぜると評価したルールが分からなくなります。
12. 観測の期限と注文の期限を分離する
有効なMACD確認は実行可能な注文そのものではありません。戦略ではq後の最初の評価価格、価格の経過時間、送信遅延、スプレッド、入口距離、初期保護、出口、拒否で機会を消費するかを決めます。3確定足は観測の期限であり、その間ずっと拒否注文を再送する許可ではありません。
結果評価前に保有制限、リクエスト識別、再起動処理を定義します。タイムアウトは拒否の証拠ではなく、実注文と約定を照合してから再試行します。観測の拒否、期限切れ、送信済み、不明、約定を分けて記録します。後のダブルクロス戦略は独立した完全仕様を用意します。
13. 待機前後のBUY価格条件を比較する
独立例はAskで買いBidで終了し、ストップ1.09990、目標1.10450を固定します。早いBid/Askは1.10150 / 1.10162、後は1.10210 / 1.10222です。費用前のストップ距離は17.2と23.2 pips。往復手数料0.8 pipと不利な執行の総予備幅1.0 pipを加えると、計画損失幅19.0と25.0 pips、純目標幅27.0と21.0 pips、比率は約1.4211と0.8400です。
有効証拠金10000 USD、予算0.6%=60 USD、標準契約100000 EUR、1ロット当たりpip価値10 USD、数量刻み0.01を仮定します。切り下げで早い方は0.31 lotsと計画リスク58.90 USD、後は0.24 lotsと60.00 USDです。四つのOHLCケースとは独立した価格であり約定ではありません。イベントの確認が進んでも、残る価格条件が良くなるとは限りません。
| 価格 | Bid / Ask | Stop (pip) | 損失+費用 | 純目標 | 比率 | ロット | リスク USD |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 早い価格 | 1.10150 / 1.10162 | 17.2 | 19.0 | 27.0 | 1.4211 | 0.31 | 58.90 |
| 後の価格 | 1.10210 / 1.10222 | 23.2 | 25.0 | 21.0 | 0.8400 | 0.24 | 60.00 |
14. 価格側、通貨換算、執行の不確実性を明示する
Ask入口とBid出口の距離にはスプレッド効果が含まれ、二重加算しません。両例とも1.2 pipsです。仮定する小数5桁EURUSDではpointとtickは0.00001、1pipは10pointです。実際のtick幅、口座通貨でのtick価値、契約数量、ロット刻みは対象銘柄で確認し、桁数だけでは決めません。
予備幅は計画用で損失上限ではありません。窓開け、滑り、スワップ、保護の付与失敗で結果は変わります。ブローカー距離、価格刻み、総リスク、余剰証拠金を確認し、数量は切り下げて最小未満なら見送ります。口座通貨が違う場合は適切な現在値で換算します。有効な観測は約定受理や実損失の上限を保証しません。
15. 古い信号を移動させず三モデルを比較する
同じX候補時刻を記録し、Xだけの基準、Q_same、順次モデルを別ルールとして比較します。データと完全な執行・出口・費用・リスク方針を統一しつつ、それぞれの本当の判定時刻と最初の有効価格を使います。順次確認は意図的に入口を遅らせるため、約定をpに戻したり以前の価格が残っていたと仮定したりしません。
開始拒否、取消、期限切れ、逃した利益例、執行失敗も含めます。後のデータを残し、試した平滑化と期限を全て保管します。勝率や見やすさだけでなく純期待値、ドローダウン、標本不確実性、回転、費用感応度を評価します。架空例は計算と順序の検証であり、利益の証明ではありません。フィルターは勝ちも負けも除外できます。
16. 戦略を書く前に完全な仕様を確認する
データ源、H1確定時計、EMA初期値、標準SMA9シグナル、K/D/slowing、価格フィールドを記載します。MとM−G、ゼロ通過とメイン/シグナルを区別し、等号、開始、期限、取消優先、単一エピソード、欠損処理を定めます。結果後に都合のよい図を選ばなくてもフラグを再現できる仕様にします。
新しい3組の指標クラスターの第2ガイドです。次はParabolic SARとADX、その後に三つの完全な戦略を個別に定義します。関連するEMA、MACD–RSI、費用、数量、バックテストのガイドで役割と研究設計を補います。二つの指標はルールを明確にできますが、一致は売買の優位性を証明しません。
よくある質問
MACDヒストグラムが正なら新しいシグナルクロスですか?
必ずしもそうではありません。MT4標準バーはMです。M−Gのゼロ通過がメイン/シグナルクロスで、Mのゼロ通過は別イベントです。実装を確認してください。
MT4標準MACDのシグナルはEMAですか?
公式12/26/9基準はメイン値9個の単純平均です。他のプラットフォームや独自指標は異なる場合があり、同じ期間名だけで値や時刻の一致は分かりません。
順次モデルはストキャスティクス20未満が必要ですか?
いいえ。新規K/Dクロスと順序を要求し、事前の売られ過ぎは要求しません。期限内の確認時はKが80超です。ゾーンを加えるなら別ルールです。
3本目でのMACD確認は有効ですか?
はい。p+1からp+3を含みます。取消を先に調べ、その後新しいYを確認します。未確認のときだけp+3判定後に終了し、p+4では遅過ぎます。
以前のMACDクロスを再利用しないのはなぜですか?
ストキャスティクスが先で、新しいMACDイベントが後という順序だからです。すでに上向きの状態は新規クロスではありません。同時・逆順は別の定義が必要です。
二つの新しいクロスで収益性を証明できますか?
できません。観測を定義するだけです。執行可能な入口、保護、出口、費用、数量、保有制限、後のデータでの評価が必要です。架空履歴に実測収益はありません。
出典と学習上の注記
MetaQuotes公式資料はインターフェースと基準計算を説明しています。有限のEMA初期値、四つの架空OHLC履歴、順序モデル、独立したBUY価格比較は本ガイドの教材仕様です。厳密な分数演算で判定し、CSVの小数は表示用の近似値とします。フラグはOHLCから再計算できます。実端末との一致、市販EAの動作、過去の運用収益は主張していません。
- MetaTrader 4 Help: MACD calculation
- MQL4 Reference: iMACD
- MQL4 Reference: iStochastic
- MetaQuotes: Stochastic Oscillator reference
教育資料です。履歴、計算、BUY価格は架空です。FXにはリスクがあります。指標一致、計画保護、費用予備幅は利益や実損失の上限を保証しません。